無神経で信用ならない家族達(長文ナリ)
5月5日、
LEOが発作を起こした。
四肢を激しく痙攣させての発作は、
アタシを恐怖のどん底に突き落とした。
その日は夕方から様子がおかしくなり、
K動物病院で点滴をしてもらい帰宅していたのだが、
発作が起こったのは夜の8時をまわっており、
診察時間はとっくに過ぎていたけど、
すぐさま病院に電話を入れ、
LEOが発作を起こした旨と、
その様子を動画に撮っていると言うと、
Kセンセイはすぐさま
「痙攣止めの座薬を取りにいらっしゃい。」
と、言って下さった。
Kセンセイに動画を見てもらい、
頂いて帰った座薬を入れると、
発作は幾分おさまったが、
時折苦しそうに「キャンキャン」と鳴き、
そんなLEOの姿を見ていると、
胸がはりさけそうになり生きた心地もしなかった。
とりあえず、そんなLEOを見守ることしか出来なかったが、
翌日、アタシは5時まで仕事の予定であり、
徹夜で見守り続けるとなると仕事に支障をきたしてしまう。
そこで、家族が起きている間に仮眠をとり、
夜に備えようと布団に入ってはみたが、
LEOの様子が気になり、やはり眠れない。
そうこうするうちに夜も更けていき、
LEOの様子も相変わらずであったが、
皆が起きていたところでどうしようもないので、
交替でLEOを見ることにしてはどうかと、
まずはアタシが起きていられるだけ起きておき、
その後、デコに引き継いでもいいか?
と、打診すると、
デコは涙にくれながら、
「エエよ。
変わったことがことがあったらいつでも起こしてくれりゃぁエエ。」
と、LEOの為なら何でもしまっせ!
というような心意気を全身にみなぎらせて言うのであった。
さて、
夜もしんしんと更けていき、
家族が寝静まったPOKI家では、
不安におののき生きた心地のしないアタシの息遣いと、
苦しげなLEOの息遣いだけが、
夜のしじまに響いていた。
苦しむLEOと二人の夜はとても長く不安なものだった。
よくもこのような状況で奴らは眠れるもんだな。
と、思ったが、
「寝てもエエよ。」と言ったのはアタシだし、
GWの真っ只中のPOKI夫とムスメなのだから、
翌日が仕事であるアタシのカラダを案じて、
「お母さん、寝てもエエよ。あとは任せて!!!」
と、言ってくれるだろうと、
淡い期待を抱いていたのだが、
同じ部屋で寝ていたムスメは、
LEOの苦しそうな鳴き声にもビクともせず、
隣室のPOKI夫に至っては、
寝しなに発泡酒でも飲んだのか「高イビキ」である。
あぁ、もう大概にしてくれ!
アタシだって寝たいんだ。
仕事なんだ!
GWの最終日に5時まで残業なんだ。
1時間!
せめて1時間でエエ。
アタシに束の間の眠りを与えてはくれまいか!
奴らの呑気な寝息に腹を立てながら、
「そうだ!デコがおるではないか!
何かあったらいつでも起こしてくれと、
あの心強い言葉があるではないか!
姑はこのような時こそこき使うべきだ!」
そう思ったアタシは、
苦しむLEOを抱きかかえ、
階下にあるデコの寝室のガラス戸を開け、
「お義母さん・・・お義母さん・・・」
と控えめな音声で呼んでみた。
が!
しかし!
何かあったらいつでも起きると言いきったデコもまた、
「グォォォォ~!!!」
と、高イビキで熟睡しているではないかっ!
オマエ、フザケルナ!
あの心意気はどうした。
いやいや、
今のは控えめ過ぎたんだな。
ではもう少し大きな声で、
「お義母さん!お義母さんっ!!!」
と、呼びかけてみたのだが、
それでもデコの高イビキは止まらない。
全く、この役立たずめ。
アタシはデコの醜い寝顔にココロで悪態をつきながら、
スゴスゴと2階へ舞い戻り、
こちらも「高イビキ」で熟睡しているPOKI夫を叩き起し、
「LEOを見てくれ。
頼むから1時間でエエからアタシを寝かせてくれ!!!」
と、懇願し、
苦しむLEOをPOKI夫に押し付けたのである。
POKI夫は一瞬何が起こったのかわからないようであったが、
アタシの鬼気迫る形相におののき、
LEOを見ると約束してくれた。
あぁ、
これでアタシにもやっと束の間の休息が訪れた・・・
・・・と、思ったのも束の間、
わずか小1時間足らずで、
LEOの鳴き声で目が覚め、
慌てて隣室へ行ってみると、
苦しむLEOの傍らで、
あろうことかPOKI夫は眠りこけているではないかっ!
こんなに苦しんでいるイヌが隣にいながら、
眠れるオメーの神経はどないなっとんねん。
アタシは心底呆れ、
POKI夫に対する殺意がメラメラと燃え上がった。
「コラっ!何寝とんよ!
LEOに何かあったらどうするんで!
もし、寝とる間にLEOの息が止まったら、
オマエヲコロス!!!」
そう、脅しの言葉をPOKI夫に投げつけると、
「あぁ、ゴメン、ゴメン。」
と、謝ってはくるのだが、
隙あらば寝そうな勢いである。
で、
結局、
アタシが眠ることが出来たのはわずか1時間で、
ヘロヘロになりながら仕事に行く羽目になったアタシ。
5時までの残業は、
訳を言って「元ヘル」に代わってもらったのだが、
今後またこのような発作が起きた時には、
アタシは一体誰に頼ればエエのか、
全くどいつもこいつも信じられんぐらい無神経な奴らだ。
ところで、
気になるLEOの様子だが、
発作の翌日はグッタリとしており、
無神経な奴らに病院へと連れて行ってもらい、
「もしこのまま食欲が戻らなければ、
点滴だけでは1週間しか持ちません。
とりあえず毎日、点滴に来て下さい。」
との、ヒジョーに厳しい宣告を受け、
その夜のアタシは、
もうこれが最期かと泣き崩れたのである。
この深刻な状況に、
さすがの無神経な奴らも神妙な面持ちで、
デコはナミダにくれてはいたものの、
アタシはココロで、
「オマエのナミダは信用ならん。」
と疑っていた。
そして、
アタシの必死の祈りにより、
LEOは奇跡的に持ち直し、
足が麻痺しているので思うようには歩けず転んでいるが、
食欲だけはオソロシクある。
そんな懸命に生きているLEOに、
アタシは命を救われるという出来事があったのだが、
長くなったので、
それはまた次回のお話。
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