続・魔法にかけられたオンナ
~前回からの続き~
日曜日のK動物病院は、
とても繁盛していた。
動物病院もニンゲン様の病院と同じく、
木曜休診のところが多く、
また、日曜日もやっていても、
午前中だけのところが多い。
そんな中、
このK動物病院は、
火曜日が休診日であり、
日曜日の午後からの診察もある。
これは明らかに爽やかDrの「思いやり」であり、
現にアタシのように、
かかりつけの病院が休みで、
コチラに駆け込んだ人も多いはずだ。
そのお陰で、
爽やかDrと巡り合えたことは、
アタシにとってはこの上ない幸運であった。
さて、
そんな幸運を噛みしめながら、
待合室へと入っていくと、
今やスッカリ元気を盛り返していたLEOクンは、
他の患畜や飼い主様に、
容赦なく吠えたて、
またもや迷惑なイヌになっていた。
めがねざるは、
早速、診察室が覗き見えるベストポジションをキープしており、
アタシもめがねざる同様、
爽やかDrの診察風景を、
ココロでヨダレを垂らしながら盗み見たかったのであるが、
容赦なく吠えたてるクソイヌLEOのせいで、
それも叶わず、
涙を飲んで表へと出たのである。
外で待っている間にも、
続々とイヌやネコを連れた人々がやって来る。
やはり岡山の動物病院口コミランキングで、
堂々の1位を獲得しているだけのことはある。
表でしばらく待っていると、
めがねざるが「呼ばれたよ。」
と、言いに来たので、
LEOクンを連れ、
めがねざると共に診察室に入る。
爽やかDrが聴診器を取り出し、
LEOクンを診察しようとすると、
今やクソイヌに成り下がっているLEOのヤツは、
案の定、Drに「ウ~~~!」と吠えるではないか!
爽やかDrは、
この日は「エリザベス」を持ち出さず、
何とかそのまま診察しようと試みるが、
クソイヌLEOはそれを許さない。
アタシにはDrがクソイヌに触れたがっているのが、
手に取るようにわかっていた。
くぅぅ~!こんなことって!
残念だ。
本当に残念だ。
クソイヌの代わりにアタシでよければ、
おもっくそ触らせてあげるのに。
いや、
もしも許されるなら、
アタシがDrのその美しいウデに触れてみたい!!!
そんなコトをココロで思いながら、
残念さを噛みしめていたアタシであるが、
クソイヌの無礼な態度にも、
爽やかDrは笑顔で、
「大丈夫ですよ。
中には診察台に上がれなかった子もいますから。
何でもない時でも、
散歩の途中に立ち寄ったりして、
徐々に慣らしていけば。」
などと優しい言葉をかけてくれ、
クソイヌに「おやつ」までくれたのである。
クソイヌのヤツは、
Drが手の平に乗せた「おやつ」はちゃっかりと食べ、
診察台にこぼれた「かけら」までも、
舌でペロペロと舐めまわしている。
「コイツ、イヤらしいやっちゃな。」
アタシとめがねざるがそう言うと、
爽やかDrは、
「そんなもんですよ。
大丈夫、入ってきた時より穏やかな目になっていますよ。
やっと、こっちを見てくれたね。
あぁ、でもおやつの袋ばかり見てるね。アハハ。」
などと、爽やかな笑い声まで立てるではないか!
こんな、イヤらしいクソのようなイヌに、
そんな優しい言葉をかけてくれるなんて、
これでは惚れるな!と言う方がムリな話である。
そんなワケで、
この日は診察らしい診察は出来なかったものの、
とりあえず元気なので、
薬を少し優しい物に変え、
しばらく様子を見ましょう。
と、いうコトになった。
ちなみに、
アタシが受付で盗み見た「獣医師免許」によると、
爽やかDrは36歳であることが判明した。
これはつまり、
要さんはモチロン、
福山やまさよしより若いということであり、
向井理クンよりは年上だということだ。
帰りの車中で、
「あ~!カッコエエ~!!!」
をアタシが連発していると。
めがねざるは、
「いや、絶対にカッコよくねぇって!
もしも、アレが合コンに来たとして、
アンタ、惚れるか?
もしも、あの顔が街を歩きょぉ~って、
アンタ、カッコエエ!とは思わんじゃろ?
まぁ、アタシも秒殺されたケドな。
でも、アタシはアンタと違うて、
見た目じゃなく性格で人を好きになるケドな。」
などと、こしゃくなコトを言う。
性格で人を好きになるとめがねざるは言うが、
そうして好きになったオトコに、
「ポッチャリ」が多いのは、
それって、オマエ「デ○○ン」では???
(ちなみに、Drはポッチャリではない。)
確かに、向井クンには負けるけど、
Drだってブサイクではないし、
「アンタ、Drの唇見た?
下の唇がちょっと分厚いんよ。」
と、アタシが言うと、
「ほほぉ~!それは情に厚い証拠じゃな。
じゃから動物にも優しいんじゃ。」
などと二人で語り合い、
ポワァ~~~ンとなるのであった。(←色惚けアホ姉妹か。)
・・・こうして、
一つ目の魔法をかけられたアタシは、
未だ魔法がとけることなく、
10日後の診察を指折り数えて待っている。
ところで、
めがねざるが、
「アンタ、散歩の途中でも来ればエエって言うとったな!
やったがん、行き放題じゃがん!!!」
と、言うのであるが、
アタシもモチロン、そうしたいのは山々だが、
それはあまりにもずうずうしくて出来ないでいる。
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