続・不器用なオトコ
~前回からの続き~
・・・さて、
かなりの設計ミスはあったものの、
不器用極まる匠の手によって、
なんとか「便所」と呼べるシロモノが完成した。
そう、
それはとても、
「トイレ」と呼べるようなものではなく、
まさに「便所」という表現がピッタリであった。
しかし、
そんな「便所」でも我々は嬉しかった。
なぜなら、
それまでの「便所」は、
広さこそ新しい便所の比ではないくらいに
申し分なかったのだが、
とにかく「危険極まりない便所」であったのだ。
何が危険かと言うと、
便所の床がいつ落ちるかもしれないという危険である。
とにかく床が危ういのだ。
便所が広いからといって、
「わぁ~い!」などとはしゃいで、
四隅に近づこうものなら間違いなく落ちる。
「わぁ~い!」
と言いながら便壺へ真っ逆さまだ。
こんな危険と隣り合わせの便所で、
心おきなく用が足せるだろうか?
これじゃあ、おちおちキバってもいられない。
それに比べれば新しい便所は天国だ。
少々狭かろうが金隠しがなかろうが、
「床の落ちない安心」が手に入るのなら、
それぐらい我慢できる。
新しいお便所バンザイだっ!
・・・ここまで読んで、
POKIんちって本当にビンボ~だったんだな。
と思った皆様。
これぐらいで驚いてはいけない。
多分、皆様の想像を遥かに超えていることは間違いない。
一口に「貧乏」といっても、
そんじょそこらの「貧乏」と一緒にしてもらっては困る。
我が家のビンボ~は、筋金入りだ。
ビンボ~の中のビンボ~。
キングオブビンボ~。
ビンボ~に関しては負ける気がしない。
あの頃の我が家に比べたら、
今のアタシの暮らしぶりなんて「大富豪」だし、
ボロ家だって「大豪邸」と呼んでも構わない。
それぐらい格が違うのだ。
・・・さて、
「便所」について、
「オマエどんだけ語るねん!」
と思うかもしれないが、
もう一つ、
驚きの事実を皆様にお伝えせねばならない。
それは、「男用小便所」についてだ。
家を新築する前の我が家には、
「床の落ちそうな恐怖の便所」と、
「男用小便所」の2タイプがあった。
この「男用小便所」というのは、
単なる「甕」である。
漢字が苦手な皆さん、
この字は「かめ」と読みますよ。
そう、
「男用小便所」とは、
「甕」を土中に埋め、
申し訳程度に囲いをした、
雨ざらしのスペースであった。
↑「甕」のイメージ。
この「男用小便所」を使用するのはオトンだけであり、
申し訳程度の囲いしかないので、
用を足しているのが「モロ見え」なのである。
これには「中国のトイレ」も真っ青だろう。
そんな劣悪な便所事情からすれば、
新しいお便所が、
どれほどの「ステキ・スペース」か
おわかりいただけるだろう。
・・・と、
「便所」について長々と語ってしまったので、
不器用な匠による「新しい風呂」の話は、
次回へと続く!
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コメント
おとん専用 男用便所って 梅干しを入れるような茶色のカメだったような‥‥‥おとんが 白い半袖肌着に下は 会社の作業ズボンで用を足しているのが目に浮かんで またしても ちょと泣けてしまう妹です
投稿: りらっくま | 2011年5月25日 (水曜日) 18時00分
アチキだって、田舎暮らし故、中学校へ上がる前までは、「トッポン便所」だったんだよ。
しかも母屋から外へ出るんだわ。
子供の時はこれが、ムッチャ怖かったね。
だから、夏になってスイカなんぞ食べて寝ようもんなら、夜中におしっこが弾んでも怖くてトイレいけないから、そのまんまお布団の中へおねしょだよ。
犬だって、自分の寝床へなんかオシッコしないからね。
アチキの子供の頃って、「犬」以下なんだね。
(^_^;)
もっとも、一般に世間では、椅子のように座ってするトイレが、しゃがんでするトイレを数で追い越したのが、アチキ達が中学生の頃、つまり、1970年代後半なんだよ。
アチキ達田舎もんはちょっと遅れてるね~~!
(^_^;)
でも、ポキちゃんちには、、
「おみそれいたしやしたわ~~~!」
(^_^;)
投稿: なお | 2011年5月25日 (水曜日) 23時03分
いいえ、ポキちゃんのお父ちゃんは立派です。
少々、いわゆる貧乏な思いをしたって、どうって事ないですわ。
ノープロブレムです。
なんでも、物ごとって考えよう、話し方によっては、何でもだよ、しかも誰だっただよ。
人生って、「悲劇」なんだわ。
でも、そんな「悲劇」を「喜劇」に変えて生きて行こうよ。
しゃべりようによっては、どんな「悲劇」もちょっと元気の出る「喜劇」に代わりますからね。
ポキちゃん達姉妹さんの事を思って見たら、素敵じゃないか。
お父ちゃん立派だよ。
投稿: なお | 2011年5月26日 (木曜日) 11時05分
そうそう!
まさしく「茶色の甕」だったよね!
あれって本来はどんな目的で使われる物だったのかな?
まさか甕自体も小便入れになるなんて思ってもみなかったハズだ。
投稿: POKI | 2011年5月27日 (金曜日) 20時41分
昔は田舎の家はだいたいトイレは外にあったよね。
ホント、夜中にトイレに行くのがむっちゃ怖かったよ。
確かにうちの親父は不器用だけど、
貧乏ながらもアタシ達7人の子供を立派に(?)
育ててくれたことには感謝しています。
そしてこんなビンボ~話しも今だから笑いに変えられるし、
ビンボ~に育ったことを卑下したり卑屈になったりすることもないんだよ。
ビンボ~でも逞しく生きてきたから今の自分があると思っているので、
そのことを全然恥だとは思っていません。
投稿: POKI | 2011年5月27日 (金曜日) 20時50分