ナゾの血尿オトコ

要さんへの愛は取り戻したが、

夫への愛はどうやら何処かへ捨ててしまったらしい。

どこを探しても未だに見つからない。

そんな、

愛を捨てられたオトコが、

１月も終わりのある朝言った。

「血ィのションベンが出よるから病院に行くワ。」

・・・と。

その時、

鬼嫁であるアタシは、

夫の容体を心配するどころか、

正直、「またか・・・」と、思った。

夫は以前にも血尿を出したコトがあり、

このところ忙しかった様子から、

多分、疲れによる出血であろう。

・・・と、医者でもないクセに、

アタシは勝手に診断を下していた。

・・・とはいえ、

夫は年末に「ギックリ腰」を起こしていたので、

今回の血尿と何か因果関係があるのかも・・・

ひょっとして、悪い病気の兆候では・・・

と、少しばかり心配したのも事実である。

血のションベンの原因がわかるなら、

病院でもどこでもとっとと行けばよい。

そんな気持ちで夫を病院へと追いやったのだが、

果たして、帰宅した夫の話を聞いても、

まるで要領を得ない。

元々、ボキャブラリーの少ない男である。

これまでも、

やれ血便だ血尿だと、

やたらと無駄に血を流してきたオトコである夫は、

その度ごとに病院へ行き、

医師からの診断の結果をアタシに伝えるのだが、

それが的確な説明だったコトは、

ただの一度もなかったり、

原因が不明だったりで、

「オマエのカラダは一体どないなっとんねん！」

と、思ったことは、

一度や二度ではないのだ。

いつぞやも、

「ナゾの血便騒ぎ」を起こした夫は、

「肛門から１８ｃｍに傷がある。」

と、診断され、

「ＰＯＫＩ夫ホモ疑惑」が浮上したことは、

今でも語り草になっている。

そして、

今回も、

腎エコーやら血液検査やらされて帰ってきた夫は、

「原因がわからんからもっと詳しく調べるんて。」

と言い、

一週間後に造影剤を入れてＣＴを撮る検査を

予約して帰ってきた。

血のションベンの原因がわかるなら、

ＣＴでもＥＴでもとっとと撮ればエエ。

そう簡単に考えていたアタシだったが、

コトはそう簡単には終わらなかったのでアル。

・・・長くなったので次回へ続く。

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