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2010年2月10日 (水曜日)

切なさにナミダするオンナ

前評判は知っていたので、

読むつもりはなかったんだけど、

図書館にあったのでつい借りてしまった。

そして、

思った通り、

泣いてしまった。

その日のまえに Book その日のまえに

著者:重松 清
販売元:文藝春秋
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いや、

「泣いた」なんて生易しいモンじゃない。

切なくて、

悲しくて、

正直、この本を借りたことを後悔したぐらいだ。

7つの短編から成るこの本は、

南原清隆サン、永作博美サン主演で映画化もされた。

そのダイジェスト版を、

たまたま本屋さんで見て、

あまりの切なさに、

「こんな本読まんとこ。」

・・・と思っていた。

7つの短編は、

それぞれが微妙にリンクしており、

その根底に流れているテーマは「死」である。

その中でも軸となるのが、

40代で「余命」を宣告された女性とその夫が、

「その日」までをどう過ごすかをえがいた

「その日の前に」と、

遂に迎える「その日」の事と、

その日が終わった後の、「その日のあとで」。

ここまでダイレクトに「死」について書かれた小説を、

アタシは今まで読んだことがない。

あまりにもリアルな描写に、

つい、

今の自分と重ね合わせてしまい、

読むほどに胸が切なく、苦しくなった。

もし自分が、

そのような状況に置かれたら・・・

そう考えるだけで恐ろしかった。

そんな思いがあったので、

今まで読むのをためらっていた作品だ。

そして、思わず考えさせられたのが、

主人公の女性が、

自分が亡くなった後、

3ケ月ぐらいしたら、

夫に渡してほしいと、

担当の看護師さんに託していた一通の手紙。

その手紙には、

たった一行の、

短い文章が書かれていた。

彼女が何度も何度も書き直して、

「その日」の2、3日前に辿り着いた一行。

きっとアタシなら、

絶対に書かない、書けない一行。

その一行はとても短いけれど、

遺していく家族に対する「愛」に満ちていたように思った。

「今までありがとう」でも、

「さよなら」でもないその言葉。

アタシならむしろ反対のことを願うだろう。

重松清サン、

ホント、オソロシイ作家だと思った。

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